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小谷三志展に行ってきました!

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  週刊誌の車内吊りのような斬新なポスター 鳩ヶ谷の郷土資料館で行われている「小谷三志展」に行ってきました! 鳩ヶ谷の人が郷土の偉人は誰かと問われれば、ほとんどの人が「小谷三志」と応えるでしょう。小谷三志という人はそれほどまでに地元では有名人。しかし、どんな人で何をしたか?富士講と不二道との違いは何か?と問われればほとんどの人が知らないでしょう。かく言う私も知りません。この企画展はそんな長年の疑問を晴らしてくれる展示会です。濃密な資料・図・解説で入館者を迎えてくれます。そもそも小谷三志そのものが濃密な人生を送っているので、これを明らかにすること自体が大変な作業です。作った人には脱帽です。 富士講は江戸時代一大ブームとなった民間信仰で、江戸八百八講と言われるほどグループ が出来、 富士山を信仰の対象として集団で 富士登山 をしていました。川口市にもたくさんの 講があったようで、木曽呂の富士塚などいくつか富士塚が残っています。 小谷三志もはじめは富士講の先達(指導者)でしたが、その教えに満たされず新たな信仰を 模索し江戸で 参行禄王 (さんぎょうろくおう )という行者と出会い、その跡を継いで「不二 道」 を確立しました。不二道を説明するのは難しいですが、万物への報恩のために 家業精励、孝行、社会への労力報仕 を実践する教えです。また、陰陽(例えば月と太陽、男と女とか)の和合 が大切と説いていることから男女平等に通じるため女性信者も多かったそうです。ちなみに史上初の女性の富士山登頂者は高山たつという人で小谷三志自ら導いています。 小谷三志には全国に多数の弟子がいたそうですが、無論川口にも多くの弟子がいました。その中で特に高名な女弟子が当会のメンバーのご先祖でした。女傑と言ってよい豪快な人で、なかなか面白いエピソードが書いてあるのでぜひご覧ください。小谷三志展は三志翁の人物を知ることのみならず、江戸後期の文化風俗、市民意識の萌芽を知ることが出来るので歴史好きにお勧めです。 ちなみに小谷三志の御子孫は今も鳩ケ谷にいて、鳩ケ谷本町通り(日光御成道)沿いの「湊家」といううなぎ屋を営んでいます。小谷三志展を見た後は是非立ち寄ってみてください。 同じく日光御成道沿いを北に行くと地蔵院という古刹がありますが、小谷三志の墓はここにあります。 鳩ケ谷本町の郷土資料館。こじんまりとしています